委任状の書き方ガイド

代理人の義務

委任状の提出における代理人の義務を紹介しています。
委任状ホーム
委任状の書式集
始末書の書き斿
手紙の書き方
英文の書き方
rWlX̏ƕW

スポンサードリンク

代理人の義務

これまでは委任する側に立って話をすすめてきましたが、このページでは、逆に、代理人の立場でその義務を明確にしておこうと思います。

代理人は、委任状に記載された委任事項に同意しているため、当該の委任事項をまっとうする義務を負っています(法律用語では、これを委任事務処理義務といいます)。また、この義務の遂行にあたっては、「善管注意義務」というものが発生しますので注意してください。

この善管注意義務とは、「委任を受けた人の、職業、地位、能力等において、社会通念上、要求される注意義務」としばしば定義されています。平たくいえば、委任契約を受けたかぎりは、適当にやってはいけませんよ、ということです。法律ですので、のちにトラブルが生じたとき、この善管注意義務に欠如があるとみなされた場合、責任を追及され、法的に大変な事態になってしまう可能性がつねにあります。そのため、代理人として委任契約を受けたならば、それが法的契約である以上、細心の注意をはらって義務の遂行にのぞむ必要があります。

たとえば、よくあるケースとして、タダで委任契約を受けた人が、自分は無償でやっているのだからといって、適当に義務を遂行し、結果として大きなミスを犯してしまうというパターンが見られます。ところが、無償の委任であるからといって、法的には、この善管注意義務は軽減されないのです。そのため、有償で委任を受けた人とまったく変わらぬ法的な責任を負うことになります。

また、適当に委任を受けた場合、自分でやるよりさらに別の人にやってもらおうとして(これを復委任といいます)、委任状における委任契約に反する行為をしてしまうケースもよくあります。つまり、自分が代理人として義務を遂行する責任を負っているにもかかわらず、それを他の者にやらせるという過ちを犯すのです。これは、適切な委任契約において厳格に禁止されていることです。

こうした失敗をしないために、代理人(委任状の受任者)は、委任者の請求があった場合や委任契約が終了した場合、その都度、事務処理の経過を報告する必要があります。また、委任事項を処理することで取得した金銭や物などを、必ず委任者に引き渡さねばなりません。

難しく言っていけば法的にはきりがないですが、代理人は委任された事項をまっとうに遂行するということをきっちり守っていれば問題が生じることはまずありません。委任者とつねに連携をとり、委された内容を適切にその都度遂行していくことで、すべて穏健に義務の遂行が為されます。