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委任状のトラブル1
前のページで、委任状のトラブルの原因が、「代理権の範囲をこえて、代理人が契約をしてしまった場合」であることを見てきました。
具体的には、委任状に記載する内容において、「何を委任するのか」を明確にするさい、「○○に関する一切の件」という表現を安易に使ってしまうところにあります。
この言葉は委任状にあっては決まり文句であり、しばしば実際に使われているものです。例えば、弁護士に訴訟行為を依頼するときや、司法書士に登記手続を依頼する際には、この種の決まり文句は有効であり、トラブルに結びつく可能性は低いです。
というのも、「○○に関する一切の件」の「○○」の範囲は拡張できる類のものではないからです。そのため、越権行為が勝手に行われるということはまずないと見てよいのです。
しかし、「売買」が絡む内容の委任状となると、そうもいかなくなってきます。「一切の件」がさまざまに拡大解釈可能となり、悪用されるおそれが出てくるのです。
そのため、委任状を作成する際には、委任の内容は拡大解釈されないよう、明確な範囲を特定して記載するよう注意してください。当サイトの委任状サンプル集をご参考いただければ幸いです。