始末書
念書の書き方
詫び状の書き方
顛末書の書き方
理由書の書き方
委任状の書き方

念書の書き方

念書は、覚書の性質をもっています。後日のために、協議したことを書き記しておくのです。したがって、念書は詫びることが目的ではなく、また始末書のように懲戒的な色合いを持つものでもありません。

会社内での念書は、始末書を取らせるほどでもなく、顛末書や理由書を提出させるほどでもない場合に、本人の反省をうながし再発の防止に役立てたい、という場合に提出させるものです。

そのため、念書がいかに軽いレベルのものであるにしろ、末尾には必ず反省とお詫びの言葉を述べ、同じ過ちを二度と繰り返さない旨の誓約が必要となります。

念書の文例は、右サイドバー上部にありますが、始末書とほとんど書き方は変わりませんので、あわせて始末書文例集のほうもご確認ください。念書のほうが、始末書よりさらにシンプルに書いてもよい程度の違いです。

覚書と念書の違い

覚書は、一般的に、非公式または略式の外交文書というかたちで、契約の両者が取り交わします。

一方念書は、ある契約において、それを守るべき立場の人が、守らせる立場の人に一方的に差し出します。たとえば、片方のみが義務を負う場合や、双務契約であっても立場に優劣があり、どちらか一方が義務を履行する場合などに適用されます。

念書の特徴と書き方

念書はあくまで非公式であり、そのため守るべき厳格な書式はありません。しかし、書くべき内容はいつも決まっています。

念書に書く三点の流れ

  1. 不始末の概要 (例. お客様を粗雑に扱った)
  2. 不始末のいきさつ、理由 (例. 私の不心得に起因するものです)
  3. お詫び・反省の弁 (例. 二度と繰り返さぬよう十分に注意いたします)

顛末書や理由書などと同じ流れです。ここでも自己正当化や責任転嫁をほのめかす表現は一切排除し、誠実な謹慎の態度を一貫して見せる必要があります。

とはいえ、過度に自らの非を強調すべきではないため、念書を書く際には、自分のみが過重の義務を負わされることのないよう、客観的に事実を書くようにします。

日常生活での念書・誓約書の活用

念書は、社内のみに活用されるものではなく、十分に一般生活にも適用できるものです。後日のトラブルの種になりそうなものは、必ず文書として証拠を残し、約束を遂行させるのに役立てます。

たとえば、借金の返済が遅延する場合など、念書を書いてその返済を明確化させることは効果的でしょう。誓約書ならば、妻が夫に対して、二度と浮気をしないよう文書のかたちで記録させたりすることはよくあります。

後日のために約束事を明確化させたい場合は、文書のかたちで残しておくことで、つねに背後から大きな力を生み出してくるでしょう。