始末書の書き方
始末書の書式は決まっています。流れとしては、必ず以下の五点を盛り込みます。
- 不始末の内容 (例. 上司に暴言を吐いた)
- 不始末の原因 (例. 酒量が過ぎていたため)
- お詫び・反省の弁 (例. 深く反省しております)
- 不始末を繰り返さない旨の弁 (例. 二度と繰り返しません)
- 寛大な措置を願う弁 (例. 今回に限り寛大な措置を願います)
はじめに不始末の内容と経過を書きます。克明に書くのではなく、「いつ、どこで、誰が、何をしたか」という要点を簡潔にまとめます。
次に不始末の原因です。ここで注意すべきは、言い訳や正当化にならないようにすることです。事実を客観的に見、冷静にまとめて誠意を示すようにします。
お詫び・反省の弁へと移ります。
不始末を二度と繰り返さない決意をしっかりと書きます。始末書は懲罰の意味合いをもちますので、しっかりと謝罪の意を示します。
最後に、寛大な措置を願う言葉や、今後は規則に従いますといった誓いの言葉でしめくくります。
以上が始末書の基本的な流れです。この流れをつかむことで、あとは文例にそってケースごとの状況や言葉を当てはめることができます。始末書には、詫び状のように頭語や結語、時候の挨拶などといった手紙の要素がないので楽です。始末書の文例集は、「始末書文例集」のページからお入りください。
始末書を書く前の確認事項
始末書を書く前に、その準備として以下の六点を確認しておきましょう。
- 社内文書である場合、必ず社長や上司の指示のうえで書くこと。
自発的な意志で書いてはいけません(稀にこのようなケースもありますが、通常は指示のうえで書きます)。顛末書、念書、理由書なども同様です。 - 正直に書くこと。
言い訳や正当化は、逆に悪印象を与えかねません。一方、正直は当然であると見なされますが、好印象を与える可能性があります。 - 誠実さを示すこと。
謝罪される側は、始末書の書き手の対応に注目をしています。自分の非に疑問がある場合でも、素直に罪を認めて謝罪をし、誠意を見せることが得策です。しかし、度をこした謝罪や、感傷的な訴えかけに陥らないよう注意が必要です。 - 簡潔な文章でまとめること。
始末書は、「克明さ」よりも、「簡潔さ・正確さ」が要求されています。非人格になって、客観的にまとめることが大切です。 - 顛末書との書き方の区別をつけること。
顛末書と違って、始末書は基本的に許しを請うという性質をもっています。そのため、文体は必ず丁寧文で書かなければいけません。「だ」「である」調を使うことは避けましょう。また、誠意を示すために必ず手書きで書かなければなりません。 - 適切な用紙とインク色を使用すること。
通常の社内文書とは性格を異にするため、社用箋を使うべきではありません。用紙は、白無地か白地に地味な罫線の入ったB5判のもの(A4でも可)。インクは、黒か濃紺のペンが適切です。カラーペンはタブー。封筒は白色の長形4号。できれば二重袋になっている封筒がよいです。スポンサードリンク
始末書を受け取る側
始末書を受ける取る側は次のようなことに注目しています。
- 被害・損失をどのようなかたちで補償してくれるのか。
- 自分の非をどれだけ素直に認めているのか。
- 今後、同じような不始末を起こすおそれはないだろうか。
自分の書いた始末書が、受け取る側の上記の疑問を解消してくれるものかどうか、確認してみてください。それができているならば、必ず相手側から合格点を与えられるでしょう。
始末書の文例
では、これから始末書の例文・雛形を見ていくことにします。ケースごとの文例は毎日追加していますので、ぜひご参考にしてください。
始末書の文例集|目次